アフリカのある種族の人たちは、20歳前後になるとふっといなくなる人が多いらしく、そして1,2年くらいすると、またふらっと帰ってくる。それは神隠しだという話もあるが、そうではなく、人間には動く本能があって、その欲求が思春期くらいに一番強くなってきて衝動的に旅に出て行くということらしい。これは「テンベア」と呼ばれ、目的をもってどこかへ出かけるという意味の「サファリ」とは異なり、「あてもなく放浪する」ことを意味するそうだ。▼年頃になると家を出たくなるなんて、どこの国でも若者はみな同じような事を考えるものだ。大学受験の時、自分の家から通える大学があるのにわざわざ東京の大学へ行った友人がいたが、これも同じような事だろう。私は、自宅から通える大学へ進学したせいで欲求不満が溜まっているのかもしれない。時々、無性に放浪に出たくなるのだ。