漫画を読む時の視線を計測してみた

2015年8月4日追記:
より詳しい解説を別ページに書いたのでそちらをご覧下さい。
http://roroco.net/archives/89

視線計測装置を用いて、漫画やイラストを見ている時の視線を計測してみました。
全て、私自身が画像を見ている時の視線データです。
画像の提示時間は、イラストの場合は30秒間。漫画の場合は最後のコマまで見たら手動で測定を終えるようにしました。

#1


オオツカマヒロ著『のりタマ』1巻

#2


namo著『アイドルマスター シンデレラガールズ ニュージェネレーションズ』1巻

#3


小林立著『咲-Saki-』1巻

#4


鳥山明著『SAND LAND』

#5


たかみち著『りとうのうみ』

#6


高野文子著『るきさん』

イラスト

以下はイラストの場合。イラストは全て私の描いたものです。

イラストの場合は、視線の経路よりもヒートマップで表示した方が分かりやすいでしょう。
視線がより多く集まっていた場所ほど色を赤く表示しています。

考察

今回はとりあえずただデータを取ってみただけで、何か仮説があったわけではないので結果から言える結論などは特に無いです。1つ1つのデータを眺めて、なるほどなとうなずいてみただけという、それだけです。胸や脚に視線が集まってますが、今回の被験者に特有の結果なのか、人類に共通する特徴なのかは不明です。今後より多くの被験者を用いて実験をする必要があるでしょう。

個人的に興味深いテーマとして、漫画やイラストの技法書に書かれている「視線誘導」のテクニックが、実際に有効であるのかを検討してみたいです。あの手のテクニックは直感的には妥当であるように思えますし、実際にそうであるものも多いようには思います。しかし、実証的なデータを欠いた議論であるため妥当性には疑問が残ります。それに、視線は、人が直感的に思うようなわかりやすい動き方はしないというのが経験的に分かっています。また、漫画論における視線の議論は心理学研究の知見をほとんど参照していないのも大きな問題点だと思われます。

技術的な話

トラッカーの計測レートは60Hz。
サッケードと注視のイベント検出にはDispersionアルゴリズム(Salvucci & Goldberg, 2000)を用いました。
ヒートマップの生成には注視の回数データのみを用い、各注視の注視時間は考慮に入れていません。