『電子書籍の衝撃』を読了。書籍の電子化とそのオンラインでの流通が、本の世界をどう変えるかを論じています。CDからネット配信へとシフトした音楽の世界ではそれに伴う新しいエコシステムが形成されつつあり、そこで起こっているコンテンツのアンビエント化やフラット化が本の世界でも起こるだろうとのこと。読書体験のソーシャル化という点については各種レビューサイトや読書メーターなりtwitterなどで既に顕在化しているので、電子書籍におけるマスからアンビエントへの転換という著者の主張にはいまいち実感が湧きませんでした。また無名の人でも情報の発信者となり著者がフラット化するということについてもブログメディアや動画配信サイトの隆盛などweb上ですでに起こっていることなので、電子書籍ならではの新しさはどこにあるのか、という点がいまいち打ち出せていないように思えました。そう考えると「電子書籍の衝撃」とは何なのかというと、やはり一番はそれが電子であるということ(検索できることやクラウド化されること)それ自体なのだろうと思えます。