手ではなく目が絵の完成度を高くする

「(描いてる最中の)かわいくない絵をかわいくしていく過程はプログラムのバグ取りに似ている」。そんなことをある人が昔つぶやいてました。ほんとその通りだなって思います。可愛くない原因って色々とあると思うんですが、例えばパーツのサイズがおかしいとか、バランスが取れてないとか、そういったエラー(バグ)を取り除くことで徐々に正解に近付いて行く、っていうのがかわいい系の絵を描く過程だと思ってます。Aという絵をA’ に描き変えてその差分を「評価」して、良くなっていればOK、ダメならやり直し。これのくり返しです。 ■「評価する」という点がポイントだと思います。描いた線が正しいのか正しくないのか、そこを評価する目が、大事なんです。絵を上手く描くのって手先の技術が重要だと思われがちですが、たぶんそれは違っています。手の動きが鈍くても、作業の中で何度も修正をすることで徐々に線は美しくなっていくので、むしろ重要なのは、引かれた線が正しいのか正しくないのか、それを判断する目が大事なんです。絵を描く間に何度も何度も頭によぎる「こうかな、いや違うなこっちだな」という判断、一つ一つは小さな決定だけど、その繰り返しが積もることで1つの絵は出来上がります。手先の器用さではなく、線の正しい選択を適切に行う判断力が、最終的な絵の質を決定しているんじゃないかって思います。