テレビに上杉裕世さんというマットペインターの方が出ていた。様々なハリウッド映画で背景に使われる絵を描いている人だ。映画の中の非現実的な風景はCGで作られているように思われているが、実際のところ全てがCGというわけではなく、絵具で描かれた絵も随所に使われている。最終的に合成されて映画の中でその場面を見ると、まるで実写と区別がつかないから驚きだ。彼がアメリカで制作会社に採用される時のエピソードが面白い。学生時代に作った映像作品を見せたのだが、それは自作の特殊カメラを使い自分の絵を合成して原始時代のシーンを創り出した秀逸なものだった。それを見た面接担当者たちの言葉が”You’re crazy.”。最高の褒め言葉だったそうだ。▼「狂っている」と言われてしまうほど何かを追求できるということ。一流になる人とはそういう人なのだろう。