プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?

文字を読む際の脳の働き方の解説書。言語機能は人間に元から備わっている生得的な能力ではあるものの、こと文字に関しては人類に取って比較的新しいもので、実際3000ほどある世界の言語のうち文字を持つ言語は100に満たない。ヒトの脳には文字情報を処理するための独自の回路が生まれつき備わってはいないため、既存の回路をうまく作り替えて対応しなければならない。そのため書記体系によって脳の働き方も異なり、英語話者と中国語話者とでは脳の働き方が異なるし、また面白いことに日本人はそのどちらとも違う脳の使い方をしているようだ。