昆虫―驚異の微小脳 (中公新書)

昆虫の持つ知覚や記憶、運動制御等についての神経科学。昆虫の脳のニューロン数は100万ほどと非常に少なく(ヒト大脳は100億)、にもかかわらず相当高度な情報処理を効率的に行っている。ハチやアリは複数の方法で巣と餌場までの地形を覚えることのできるマウスにも匹敵する高い記憶能力を持っているし、また三次元空間中での姿勢制御の為に複数のセンサーを使いこなすハチの飛行能力は工学的にも面白い。心理学を勉強している人にとっても研究トピックが人間での場合と似たような物が多くて楽しめると思う。