鉄を削る―町工場の技術 (ちくま文庫) 2011年10月7日 「鉄を削るというたったひとつの作業を、あるときは切るであり、あけるであり、揉む、挽く、なめる、さらう、掘る、たてる、くる、えぐる、刮ぐであったりといった使いわけをするのを見るとき、彼等が獲得しているものの豊かさにびっくりする」 町工場の旋盤工として50年間鉄を削る仕事を続けてきた作者が語る、仕事の話、技術の話。
The Overflowing Brain: Information Overload and the Limits of Working Memory 2011年10月2日 脳の情報処理の容量限界とその克服可能性についての認知神経科学的な議論。
AXIS (アクシス) 2009年 02月号 [雑誌] 2011年10月1日 佐藤雅彦。”新しい分からなさ”とは、わからないけれど少なくともそのわからなさは初めてのわからなさだということだけはわかるというもので、今後ある枠組みが自分の中に生まれた時にそれを克服する、分かることができるというある種の期待を含んだ表現のこと。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎 2011年9月29日 配分された初期パラメーターの違いで文明ごとの勝敗はもう始めから決まっていたようなもので、100回歴史を繰り返しても100回新世界の文明はユーラシアの文明に負けることになるのかもしれないと思わされます。それにしても、歴史の成り行きに病原菌がこんなに大きな影響を与えていただなんて知らなかった。
科学哲学者 柏木達彦の多忙な夏 科学がわかる哲学入門 (角川ソフィア文庫) 2011年9月29日 大きな話題を扱ってるのにさらっと言い過ぎるもんだからどうも腑に落ちない。そういう感じを与えるのが狙いなのかもしれないけど。
心と脳――認知科学入門 (岩波新書) 2011年9月25日 認知科学の総論。各論には深入りせず各領域の歴史的な展開や相互の影響に力点が置かれているのでこの分野の広がりを展望するのに向いてます。オンラインに本書の参考文献リスト有り。 http://www.ayu.ics.keio.ac.jp/references/cognitivescience/
ゲームニクスとは何か―日本発、世界基準のものづくり法則 2011年9月14日 ゲームの面白さをUIデザインと没入感の観点から捉えるゲームニクス理論の紹介が前半で、後半はその産業への応用。後半いらないからゲームの話をもっと具体例と共に詳しく記述してほしかった。
「わざ」から知る (コレクション認知科学) 2011年9月10日 職人や芸能の世界において型の伝承がどのようになされるかという問題。細かな言語的な指示はなされることはなく、弟子は生活の中で師匠の所作を全体として学んで行く。
ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する 2011年8月30日 話としてはごもっともですが問題はどう自分にとってのブルーオーシャンを見つけるかということで、その方法論なり分析法なりがもっと知りたいところ。
造形とイメージの心理 (現代心理学ブックス) 2011年8月28日 星座の実用的な側面として、本来無意味な星の配列に見立てによる意味を与える事で記憶として保持しやすくしたのではないか、という説にはなるほどなと。
あの人の研究論文集 No.2 Vol.1 2011年8月20日 技術を無駄遣いすることによって情報科学研究とコンテンツの分野の双方に新しい刺激を与えている,と判断された選り抜きの論文16件をまとめた研究論文集(同人誌)
エブリシング 2011年8月8日 ファーブル昆虫記が面白い理由は、それが「虫を知らぬ人にも解るからであり、そのひたむきな観察と、仮説と、実験をつみ重ねて、新しい発見に至る過程、つまり科学の方法に感動するからであり、その記述が詩のように美しいからである」と。
絵のまよい道 2011年8月3日 『岡倉天心 人と思想』という本の中の次のエピソードが面白い。絵にとって音とは何かという問題。「下村観山が屏風の弁財天の絵を描いていた所、岡倉天心がやってきて絵を眺め、多くの点を称揚したのちこう言った。『が、しかし、下村君、弁財天の奏でられる撥のさえは明らかに見えながら、肝心の琵琶の音が、この画面のどこからも聞こえて来ない。それでは、画としての意味が完全ではない』」
時速250kmのシャトルが見える (光文社新書) 2011年8月2日 普通の人が経験したことのないような感覚世界をトップアスリート達は生きていて、世界を捉える時の時間的・空間的・触覚的な解像度の高さに驚かされます。
「ハンバーガーを待つ3分間」の値段―企画を見つける着眼術 2011年7月29日 再読。ゲーム開発者が日常の気付きを自由に語るエッセイ。表面的にはやさしい言葉で書かれてはいるけれど、人の認知や社会システムやマーケティングなど様々な領域につながる深い内容を持っている。こうしたことを、学術書からではなく日常生活の中から自分で経験的に見出してしまえるという所に優れたクリエイターの才能というものを感じます。